MG キュベレイダムド ~マニピュレータ改造編 その1~
箒です。
前回仮組したキュベレイダムドですが、今回はマニピュレータを可動させるためにちょこちょこと改造していきます。
正直、改造があまり得意ではないので探り探りにはなりますが、その奮闘ぶりをご覧いただければと思います。
前回
さて、いざ改造!
と意気込むのは良いのですが、とりあえず現状把握から。
まずキュベレイダムドのマニピュレータの構造をご紹介すると、以下の写真のようにふたつのパーツが組み合わさってできています。
ボールジョイント(BJ)の上のところで繋がっていますが、これは手に取り付ける際に切り落とします。
左が内側、手のひら側で、右が外側、手の甲側です。
上下に分かれているものを合わせるため、指の関節が曲がるわけがありません。
それではこのパーツをどのように可動させるかというと、おそらくお察しの通りですが
① 一旦パーツを接着してから
② 関節で切断して
③ 関節用のパーツを間に入れて
④こいつ……動くぞ……!
って感じでしょうか。(適当な画像ですみません……)
関節パーツはABS素材のものが売っていますが、大きさがバラバラな上に指1本につき2つの関節に使用するため、全部で20個(!)……揃えようとすると結構お金がかかります。
なのでプラ板か何かを使って自作することにします。
先駆者の方もいらっしゃるので、適度に参考にさせていただきながらなるべく自然な形で可動させることができればと思っています。
では実際にやってみましょう。
これは確か……右手の人差し指……?(うろ覚え)
親指以外はどの指も同じですけどね。
最初は接着しようと思ったのですが、ばらして加工する可能性もある気がしたので一旦そのままで。
内部にジョイントを嵌める受けっぽいものが見えるので、もしかしたら初めは指が全可動する予定だったけど、予算か時間的な問題でご破算になったのかもしれませんね。完全に想像ですが。
切断後の様子。
切断にはゴッドハンドニッパーを使用しました。切断面が汚い部分はデザインナイフですこーしずつけがきながら切ったところです。とにかく失敗したくなかったのでめちゃくちゃ慎重に加工しています。
しばらくはこの指を元に関節パーツを試作して、テンプレートができたら他の指の書こうにも取り掛かるという手順で参ります。
合わせてみました。
説明しやすいように指先から関節ごとに①、②、③とパーツに名前を割り振ります。
①と③にはスナップフィットが施されており、パーツ単体でも組み合わせられますが、②だけは組み合わせられないのでマスキングテープで仮止めします。
指を曲げるイメージ図。
こうなればいいなあという目標。
とりあえず一山越えましたが、ここから関節パーツを試作します。
様々な大きさや形状のものを作って当てはめてみて、自然なものができるように模索します。
試作品第一号
記念すべき関節パーツ第一号です。
プラ板同士を繋いでいるのは1.5mmの真鍮線です。あまり細いと強度的な問題があり、太すぎると切断が難しくなるのでこの太さがちょうどいい感じでした。
薄いプラ板を使用すると強度の問題が出てくると思ったので、少し厚めのほうがいいかなと思い、2枚のプラ板を重ねています。
ただ、何故か自分はこれを1.2mmのプラ板を2枚重ねていると勘違いしており「意外と薄いな……」とか思っています。実際のところは0.7mmを2枚で1.4mmくらい、2パーツ合わせても2.8mmくらいです。
あとで2mmのプラ板を使用した時に驚くことになります。
横から見た図。②と③を繋いでいます。
まだまだ削って小型化できそうです。
上から見た図。
間接の大きさ的にはこれでいい感じではありますが、強度的に少し不安なので、やはりもう少し厚めのプラ板がいいですね。
①と②を繋いでみました。
こちらは厚さがちょうどいいかもしれません。
試作品第二号
第二号は2mmのプラ板を使用しています。
先ほどのプラ板に比べるとやはり厚いですね。強度はこれで問題なしです。
真鍮線の周りをできる限り削って小型化しています。これでもまだ甘いほうなので、今後はさらに小型化する予定です。
間接の形状としてはそれっぽいですよね……?
ただ、残念ながら今のままでは接続した際に指同士がずれてしまいます。これでは格好がつきません。
というわけで少し改良。
試作品第二号改良型
指に接続する接合部を半分に切ってみました。
軸をずらすことにより取り付けた際に見た目が自然になりました。
これで見た感じは問題なさそうです。
粗方のテンプレはこんな感じでいいでしょう。
念のため作り方を書いておきます。
用意するもの
・プラ板(厚さ2mm )
・真鍮線(口径1.5mm)
製作手順
1.真鍮線を4mmに切断する
2mmプラ板2枚分で4mmということです。私は前に使っていた安めの普通のニッパーで力任せに切断していますが、刃は傷むわ切断面は汚いわでおすすめできません。素直に金属線用ニッパーを使いましょう。
2.プラ板を7mm×5mmで切り出す
これは厳密じゃなくても大丈夫っぽいです。なんやかんやで加工しているうちにもっと小さくなるので。これでもまだ大きいほうです。
3.中心よりやや上部に軸穴を開ける
初めにデザインナイフであたりを付けると穴を開けやすくなります。
この時はなんとなくガイドラインを引いていますが、最後のほうになると割と適当です。というか感覚がわかってくるので必要なくなるというか。
開口には0.8mm口径のピンバイスを使用しています。もっと太いものがあれば1.5mmに達しないまではそちらを使用してもいいと思います。
4.1.5mmまで穴を拡げる
ここが結構難しいところでした。間接なので緩いとパーツの重みを維持できませんし、そもそもきつすぎると真鍮線が入らないしで四苦八苦しました。
結局、解決案としては
①多少広くてもいいからとにかく真鍮線をまず入れる
②固定する側は接着剤で固定
③可動する側は緩かったら真鍮線に接着剤で軸の補強をする
という感じです。当たり前といえば当たり前ですかかね。
穴の拡大には超硬スクレーパーを使用しています。
ガリガリ削れるので、勢い余って削りすぎないように少しずつ加減しながら拡げていきます。
5.パーツとの接合点を切り出す
ここもなんとなくです。厳密に接合点を合わせようとしても結局接着剤で固めてしまいますので。ただ、切り口を斜めにしておくと割と噛み合いが良くなるので、その辺は後々に改良されていきます。下の写真のときはそこまででもなかったですね。
6.軸穴周りをニッパーで切り落としたりやすりで削って小型化する
これはよく見る関節パーツの見よう見真似といいますか……。ただ、当然のことかもしれませんが、丸くしておかないと曲げる際に結構パーツと干渉したりするので軸穴に近い位置まで削っておくことは割と大切です。
7.真鍮線を埋め込み、接着剤で取り付ける
ここは特に言うことなし。接着剤は低白化の×3Lを使用しています。
また、接着剤塗布後には瞬着硬化スプレーを使用しています。このスプレーがとんでもない効果で、本当に一瞬で接着剤が固まります。接着剤の乾燥を待つ必要がなくなるというのはすさまじい功績です。匂いが若干気になりますが、効果は絶大です。これだけでも本当に試していただきたい。
8.真鍮線が出ている側と逆側の接合点を切り落とす
割と注意です。下の写真が正解ですが
↓こんな感じに真鍮線が出ている側と同じほうを切ってしまうと失敗です。
指パーツと合わせてみてパーツ同士が一直線になるくらいまで切るのがベストでしょう。大体半分くらい切れば大丈夫です。
9.もう片方を真鍮線がぎりぎり入るくらいまで調節しながら穴を拡げて、テンションを保ちつつ真鍮線に取り付ける
最後に割とシビアな要求をしていますね。4の穴を拡げるところでも書きましたが 、そこまで神経質にならなくても問題ありません。結局接着剤を使用すればテンションを復活させることはできますし、調整もできますので。
下の写真はあまり丸く削れていませんね。多分初期の頃の試作品です。
てな感じでこれを20個作ります。地獄のカーニバルの開幕です。
次回は全部作り終えて指が全可動できるようになったら更新します。
これを書いているときは半分終わっていましたが、いつになることやら。
50% pic.twitter.com/Eev1zQie15
— 高里 箒 (@houki_295) 2019年4月7日
ご覧いただき、ありがとうございました。
次回
塗装や製作道具についてまとめました。